命に関わる病気の可能性を除外
胸や背中が痛み出すと、何か重篤な病気ではないかと心配される方も多いです。まずは診療によって、それら命に関わる病気の可能性を除外する事が大切です。
胸部には重要な臓器が多数あります。胸部における主な重篤な病気は、心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、気胸、肺炎・胸膜炎などが挙げられます。
命の危険に直結しない主な病気は以下となります。
- 筋肉・骨・軟骨の痛み
- 帯状疱疹
- 逆流性食道炎
- 肋間神経痛
- ストレス性(心因性)
この中で、筋肉・骨・軟骨の痛みが最も多い原因です。
診断
診断では、胸部エックス線検査、心電図検査、血液検査(心筋梗塞の診断に有効)などを行い、病気の原因を特定していきます。CT検査が必要な場合は連携する医療機関をご紹介します。検査の結果、重篤な病気でないと分かると、安心される患者さんも非常に多いです。
また、症状に合わせて痛み止めなどの治療も併用します。検査の結果、当院での判断が難しい場合は、連携する医療機関へご紹介いたします。
早期発見のため症状があれば
すぐに受診を
病気の予防や完治において最も大切なことは早期発見です。ぜひお早めに受診していただき、早期発見・早期治療に繋げましょう。
よくある質問
胸や背中の痛みはどんな病気が原因ですか?
胸や背中の痛みは、さまざまな原因で起こります。軽い筋肉の疲れや姿勢の悪さでも痛みますが、重大な病気が原因になることもあるため注意が必要です。主な原因は以下の通りです。
- 心臓の病気:狭心症や心筋梗塞などは、胸の中央や左側に圧迫感や締め付け感のある痛みが出ることがあります。
- 肺や胸膜の病気:肺炎、肺血栓塞栓症、気胸などで胸痛や呼吸時の痛みが出ます。
- 消化器の病気:逆流性食道炎、胃炎、胆石などで胸や背中に痛みを感じることがあります。
- 筋骨格系の問題:肋間神経痛、筋肉の疲労、姿勢不良による痛みなど。
- ストレスや自律神経の影響:胸の締め付け感や背中の重だるさとして現れることがあります。
痛みの強さ・場所・発症のタイミング・その他の症状によって、危険度が変わります。重篤な原因を見逃さないためにも専門医の評価が重要です。
胸や背中の痛みが危険なサインはありますか?
胸や背中の痛みは、多くの場合軽い筋肉痛や疲労によるものですが、命に関わる病気が原因のこともあります。以下の症状がある場合は、すぐに救急車を呼ぶか、迷わず医療機関を受診してください。
危険なサイン
- 胸の中央や左側に強い圧迫感や締め付け感がある
→ 狭心症や心筋梗塞の可能性があります。 - 肩・腕・首・背中に痛みが広がる(放散痛)
→ 心臓や大動脈の異常のサインかもしれません。 - 息苦しさや呼吸困難を伴う
→ 肺や心臓の病気の可能性があります。 - 冷や汗、吐き気、めまい、失神がある
→ 心筋梗塞や大動脈解離など、緊急対応が必要な場合があります。 - 突然の強い背中の痛み
→ 大動脈解離や肺血栓塞栓症など、すぐに処置が必要な病気の可能性があります。
ポイント
- これらの症状は軽く見ず、自己判断せず緊急受診が安全です。
- 痛みが軽くても、急に起こった・繰り返す・強くなる場合も注意してください。
胸痛が起きた時の応急対応はどうすべきですか?
胸痛は原因によっては命に関わることがある緊急症状です。応急対応のポイントは次の通りです。
1. 強い痛み・危険な症状がある場合はすぐに救急車
次の症状がある場合は、迷わず119番に連絡してください。
- 胸の中央や左側に強い圧迫感・締め付け感
- 肩・腕・首・背中に痛みが広がる(放散痛)
- 息苦しい、呼吸困難
- 冷や汗、吐き気、めまい、失神
これらは、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症などの命に関わる病気の可能性があります。
2. 安静にして無理に動かない
- 胸痛がある間は座るか横になるなど安静を保ち、急な動作は避けましょう。
- 車の運転は危険です。必ず救急車を呼んでください。
3. 薬の使用(医師に指示された場合のみ)
- 以前に狭心症の薬(ニトログリセリンなど)を処方されている場合は、指示に従って使用します。
- 新たに自己判断で薬を飲むのは避けましょう。
4. 症状を記録する
- 痛みの発生時刻、持続時間、部位、強さ、関連症状をメモすると、受診時に医師が診断するのに役立ちます。
ポイント
胸痛は軽い筋肉痛やストレスが原因の場合もありますが、命に関わる病気の可能性を見逃さないことが最も重要です。少しでも「いつもと違う痛み」と感じたら、迷わず救急車や医療機関に連絡してください。
自宅でできる対処法はありますか?
胸や背中の痛みが、軽い筋肉痛や疲労、姿勢不良による場合は、自宅で次のような対処を行うことで症状を和らげることがあります。
自宅でできる対処法
1. 安静にする
- 痛みが強い時は、無理に動かさず休むことが基本です。
- 横になるか、背中を支えながら座ると楽になることがあります。
2. 温める
- 肩や背中の筋肉の痛みやコリには、温めることで血流が改善され、痛みが和らぐことがあります。
- 湯たんぽや温湿布などを使用するとよいでしょう。
3. 姿勢を整える
- 長時間のデスクワークや同じ姿勢が痛みの原因になることがあります。
- 背筋を伸ばし、肩をリラックスさせるように意識しましょう。
- 長時間同じ姿勢を避け、こまめに軽いストレッチや体操を取り入れると予防にもなります。
4. 軽いストレッチや運動
- 痛みが強くない範囲で、肩回しや背中のストレッチを行うと筋肉の緊張がほぐれます。
5. 痛みが続く場合は医師に相談
- 数日~1週間たっても痛みが改善しない場合や、痛みの範囲や強さが変化する場合は、筋肉以外の原因が隠れている可能性があります。
- 自己判断せず、早めに受診してください。
ポイント
- 軽い筋肉や姿勢による痛みは、安静・温め・ストレッチ・姿勢改善で多くの場合緩和します。
- 急に強い痛みが出る、息苦しい、冷や汗や吐き気を伴う場合は、必ず救急対応が必要です。
胸痛とストレスの関係はありますか?
はい、胸の痛みや圧迫感は、筋肉や内臓の異常だけでなく、ストレスや自律神経の影響で起こることもあります。
ストレスによる胸痛の特徴
1. 胸の締め付け感や重だるさ
- 心臓や肺の病気ではない場合でも、緊張や不安が強いと胸の中央や左側に圧迫感を感じることがあります。
2. 一過性で軽度の痛み
- 数分〜数十分で軽減することが多く、安静にすると改善する傾向があります。
3. 動悸・息苦しさ・不安感を伴うことがある
- ストレスや不安によって交感神経が刺激され、心拍数が増えたり、呼吸が浅くなることがあります。
4. 発作的に繰り返すこともある
- 緊張状態やストレスが強まった時に出やすいのが特徴です。
注意点
- 自己判断は危険です。胸痛はストレスだけが原因とは限らず、心臓・肺・血管などの重大な病気のサインである場合もあります。
- 初めての胸痛、強い痛み、息苦しさや放散痛を伴う場合は、必ず医療機関で診察を受けてください。
ポイント
- ストレスや緊張でも胸の痛みは起こりますが、命に関わる病気との区別が重要です。
- 軽度で一過性の痛みであれば、深呼吸・休息・リラックスが有効ですが、痛みが強い・繰り返す・異常を感じる場合は早めに受診してください。

